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デヴィット・ウェルス さん

No.409 2010年12月号

陶芸/料理

DSC_5206c.jpg デヴィットさんが初来日したのは、22歳の頃。親しくなった友人たちに連れて行ってもらった日本料理店で、その味の繊細さに驚き、すぐに和食が大好きになったという。
「最初に食べたのは、もずくです。とても美味しいと感激しました」
 すっかり日本料理に魅せられたデヴィットさんは、通っていた大学で日本料理をテーマにスピーチ。専DSC_1129c.jpg門学校で日本料理を学び、日本料理人としての人生を歩み始めた。
 陶芸を始めたのは、自分の料理を盛るイメージ通りの器を作るため。「料理人は素材を見た時から、どんな器にどんな風に盛りつけるというところまで考えて作り始めます。自分の手で作った料理を、自分の手で作った器にのせるとしっくりくる。それはとても気持ちのよい瞬間です」デヴィットさんの作品は、美濃で学んだ織部から有田の絵付けの磁器まで多彩だが、どれも明るくて、料理がのると益々生き生きとしてくる。幼少から絵を学び、絵画制作もしているデヴィットさんは、たくさんのスケッチをして、それをもとに絵付けをする。年に2、3回有田に行き、成形、窯入れをするそうだ。
「じつは器だけの作品展は、あまり好きじゃないんです」作品は食事会と合わせて発表されることが多いが、個展では盛付の写真とメッセージを壁にかけ、テーブルコーディネイトも展示したりと工夫している。彼にとって陶芸は、料理も含めた味、色彩、香り、形、感触で完成される一つのアートなのだ。
 最初は和食にあった日本的なものをという気持ちもあったが、現在では、そういう制約は感じなくなったという。より自由に、料理のイメージやテーマで器を作っている。最近は食器以外に花器や壺も制作。彼のアートは食卓の上から益々広がりを見せている。
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デヴィット・ウェルスさんの略歴
1957年 米国サウス・カロライナに生まれる
1979年 来日、早稲田大学国際学部入学
1981年 東京調理師専門学校入学(82年卒業)
1982年 料亭川松別館勤務
1984年 帰米、ニューヨーク「初花」勤務
1986年 再来日、辻調理師専門学校修了
1986年 帰米、DREYFUS証券会長付シェフ、秘書として入社(〜94年)
1994年 再来日、陶芸家安藤貫師に美濃焼を学ぶ。霞仙陶苑にて学ぶ
1996年 佐賀県立有田窯業大学校修了
1998年 食事会「涼・Cool」以後毎年。
2002年 前橋「すいらんアートスクール」にて上絵付け講座開始
2003年 『週刊現代』12月特別号にて「アメリカの魯山人」として特集される
2004年 陶芸による初個展(東京青山ギャラリーつつい)
2010年 「日本の味〜絵付けと料理」指導(東京世田谷 Gallery NANNA)
 ◆今後の予定
「日本の味〜絵付けと料理」
(東京世田谷 Gallery NANNA)

 ◆問合せ先
http://members3.jcom.home.ne.jp/david4you/

デヴィットさんの作品が、下記のお店でも販売されます。
ワイス・ワイストゥールス 来春販売予定
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン
ガーデンサイド ガレリアD-0313
TEL.03-5647-8355

我楽屋おかめ 目黒店 
東京都品川区上大崎2-16-9
アトレ目黒1A館4階
TEL 03-6408-8432

写真撮影:大隅孝之