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皆さま この花ご存じですか

田中 孝(摘み・活け・撮り・語る)




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器高約33cm






(20)松竹梅


 皆さま、あけましておめでとうございます。今年もご愛読のほど、よろしくお願い致します。
 ぼくは昔から「正月野郎」と言われてきた。ぼくが年中おめでたいから、らしい。要するに、人がいいのだ、お人柄が。
 エッ、お人よしと、人柄がいいのはちがうって?
 本題に入る。正月のおめでたい花といえば、松竹梅だ。松も小枝ならば、いつでも、どこでも手に入る。竹林も多い。むつかしいのが、梅である。蕾が固いので、枯木同然に見えるのがほとんどだ。だから、よく臘梅(ロウバイ)を使う。が、今年は梅もどきにしてみた。これなら福岡市西郊のの糸崎半島にいくらもある。
 困ったのは竹である。お花の先生は青竹を器用に細工して、花器を作ってしまう。が、ぼくにはその技術がない。救ってくれたのが、竹炭を趣味で焼いておられる御仁である。「ちゃんと葉っぱまで付いたのが出来たぞ」。ありがたく、拝受してきて、松竹梅と決めこんだ。
 ここから先は無惨だった。器の写真撮影を後回しにしていたら、何が触ったのか、器の下の竹枝が折れてしまった。その直後、本体まで自壊したのである。まるでハガネ(鋼)のように青光りするまで、よく焼けていたせいかなあ。
 さて、今年はどんな年になるのかしら。去年から円安のせいもあってか、諸物価はじわじわ上昇している。安倍政権の政策がらみで、日銀は2%のインフレ目標を掲げている。物価上昇を見込んで、皆が買物するから、お店も工場も活気が出て景気がよくなる、という構図らしい。でも、消費税も上がるし、物価以上に収入が増えてくれないと、好況もどきだよ。もどきは雁と梅だけで結構だ。(福岡市在住)