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目の眼オンライン美術展レポート

【特別展】神奈川県立金沢文庫80年
「運慶 ー中世密教と鎌倉幕府ー」2011年1月21日〜3月6日

_N306294-2c.jpg称名寺の杜に包まれた金沢文庫。冬枯れの中で梅の花が芳香を放っていました累計165万人が来場した2009年の「国宝 阿修羅展」をはじめ、この数年来仏像の鑑賞ブームがおきているようです。お寺のお堂で拝観するのが本来の姿でしょうけれど、美術館や博物館での拝観は、間近でお会いできたり、解説があったり、演出に工夫があったりと、また違った仏さまと出会える楽しさがあって人気を集めています。





_N306304-2c.jpg奈良の円成寺大日如来坐像と間近でお会いできます 今回、神奈川県立金沢文庫で催されるのが、東大寺南大門の仁王像で知られる鎌倉時代初期の仏師、運慶の仏像を集めた「運慶」展。
 運慶は興福寺の仏像造りで知られる康慶の子で、世界的に名は知られているものの、真作とされるのは数えるほどしか残っていないと言われています。その運慶の作品の中から、最初の作品という奈良円成寺の国宝大日如来坐像を初め、全国に残されている仏像を集めた展示は過去にもあまり例がないもの。2008年にオークションの超高額の取引で話題を呼んだ大日如来坐像も展示されることもあって、大きな話題を集めています。





_N306309-2c.jpg運慶・湛慶作と伝わる愛知・滝山寺の帝釈天立像。優美なお姿と装飾に注目
 オープンの前日、内覧会に訪れました。まだまだ寒い日が続いていましたが、入口前には白梅が花をほころばせて春を告げていました。神奈川県立金沢文庫は鎌倉幕府の執権、北条氏の支流、金沢北条氏が作った武家の書庫で、現在では金沢文庫の蔵品と、隣接する金沢北条氏の菩提寺、称名寺の資料を保存する歴史博物館となっています。
 1階は称名寺や金沢文庫関連の展示で、2階が「運慶」の展示。階段を登ると、正面のガラスケースに、円成寺の大日如来坐像が柔和なお顔でたたずんでおられます。座高は1mほどですが、圧倒的な存在感を感じさせる仏さまです。
 その左側にある展示ケースは透明で、正面からだけでなく、後ろ側からも見ることができるようになっています。ふだんは見ることができない後ろ側もしっかりと意匠を凝らしているのがわかります。






_N306300-2c.jpg文治5年(1189)作の不動明王立像と毘沙門天立像。浄楽寺蔵 奥のスペースでにらみをきかすのが、三浦半島西側の浄楽寺に納められている不動明王像と毘沙門天像。至近距離から見る像は、引き締まった体躯と鋭い眼力に圧倒されます。対照的に、毘沙門天にふんずけられている邪鬼のユーモラスな表情に笑みがこぼれました。
 800年の時を経て一堂に会した運慶の仏像。強さとしなやかさをみごとに表現する運慶の仕事に感動した展示会でした。(編集部・安藤博祥)




_N306317-2c.jpg金沢文庫に隣接した金沢北条氏の菩提寺、称名寺。復元された池に鏡のように堂宇が映っていました1月27日発売の目の眼3月号に神奈川県立金沢文庫学芸員、瀬谷貴之さんの「運慶」展解説が掲載されていますので、あわせてご覧下さい。

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【特別展】神奈川県立金沢文庫80年
「運慶 ー中世密教と鎌倉幕府ー」2011年1月21日〜3月6日
unkeichirasi01.jpg神奈川県立金沢文庫ホームページ