目の眼オンラインShopレポート 東京青山「ギャラリーかんかん青山」
太古の歴史が秘められたとんぼ玉アート
2011年4月23日取材
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古代より固有の風習や造形美を受け継いできたプリミティブアートを紹介しているアートギャラリーの東京かんかん。オーナーの小川弘さんは、とんぼ玉の魅力を世に紹介した立役者の一人としても知られ、昭和53年に旧モリハナエビル内に中近東古美術専門店を出したのを皮切りに、現在ではアートのほか、アクセサリーやインテリア用品、バッグ、服飾まで幅広いオリジナル商品を揃え、首都圏や大阪に10店以上の店舗を構えている。
表参道の青山通りから一本入ったところにある「ギャラリーかんかん青山」は、プリミティブアートと、とんぼ玉を中心としたギャラリー。店内にはアロマの香りが漂い、とんぼ玉やアフリカの仮面、織物などのアートが静かに時を刻んでいる。
展示の中心となっているのが、とんぼ玉のアクセサリー。ローマングラスやイスラム、ジャワ、西ヨーロッパのビーズから、紀元前4500〜2000年の頃の古代の貴石を使ったストーンビーズなど、ひとつひとつ文様や形が異なるとんぼ玉が並んでいる。
例えば、メソポタミアの砂漠に埋もれた古代遺跡から発掘されたストーンビーズは、美しい装飾品として、また魔除けとしても使われたものという。ラピスラズリ、ターコイズ、クリスタル、ムーンストーン、アメジスト・・・。自然からの授かり物を古代の人たちは、ていねいに形を整え、祈りを込めて作ったのだろう。カーネリアンと呼ばれる赤い瑪瑙(めのう)は、赤い色から「血」をイメージさせ、身につける事で災いを避けると考えられていたという。ナポレオンやマホメットも印章を作るなど、カーネリアンを大切にした事が伝わっているように、石が持つ力、自然が持つ力に敬意を払うことは、古代ばかりでなく現在の世界にも必要なことのように感じる。
この店では、とんぼ玉を元の形をなるべく生かすようにして、リングやネックレスなどのアクセサリーに加工している。ひとつとして同じものはないので、気に入ったものをゆっくりと選びたい。豊富な在庫の中から、護符の意味を持つアムレットだけを集めた「アムレット・アクセサリー展」などの企画展に足を運ぶのも、特別な一品と出会えるいい機会だ。(編集部安藤博祥)