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目の眼オンライン Web Report

アーティストのキモチを伝えるウェッブサイト「パノラマ」
2011年5月28日

可憐な姿からはイメージできないほど力強い焼物を作りだしている長谷川奈津さんや、木という素材の質感を残しながらうつわへと変貌させる羽生野亜さんほか、個性的な作家の作品を紹介し、ウエッブショップも展開するインターネットサイトのパノラマ。その作り手がどんな気持ちを込めて制作しているかというインビュー記事を掲載するなど、単にモノを売るだけではなく、作家とともに歩んでいこうという気持が伝わってくるサイトだ。

今回の目の眼オンラインルポは、注目のパノラマを生み出した井上典子さんと実際に制作・運営している大隅圭介さんに話をうかがった。


panorama01.jpgパノラマのトップページ。シンプルで見やすいレイアウトだ。



panorama02.jpgアーティストの紹介ページ。出和絵理さんの特長がよくわかる。


竹内紘三  panorama.jpg竹内紘三さんのアーティスト紹介ページ。作家の個性が伝わってくるレイアウト。


− 初めに、サイトをオープンさせるきっかけを教えてください。
作家自身と作品の紹介から購入まで出来る、ウェブ上のギャラリー兼ショップをつくりたいと思ったのがきっかけです。(大隅)


− コンセプトはどのようなことでしょう?
オブジェから器まで、アート、工芸の境目なしに面白い制作をしている作家に注目し掘り下げて紹介したいと思っています。(大隅)


− サイトの名前の由来は?
パノラマという言葉のとおり、出来るだけ幅広いジャンルのものを一望出来るようなサイトにしたいと思いつけました(大隅)


− どのような作家を選ばれたのでしょう?
作家のセレクションは井上典子さんの提案に基づいて、二人で協議して決めています。ギャラリー介のホームページをお手伝いしていた頃からその世界観、作家のセレクションが好きでしたし、パノラマを立ち上げようと思った時に頭に浮かんだ作家はギャラリー介を通じて知った作家ばかりでしたので自然と井上さんにお願いする流れになりました。(大隅)

ギャラリー介をやっていた時から変わらないのですが、出身や年齢など社会的な属性に関わりなく、私個人が興味を惹かれる作家です。具体的に言うとしっかりとした技術を持ち、独自の創造性で作品制作をしている作家で表現しているものが”過去の模倣でもノスタルジーでもなく、伝統に根ざしながら、現在及び、これからを指向している作家”をご紹介したいと、心がけています。(井上)


− 他にはない特徴として、ボリュームのある作家のインタビューが目を引きますが、のせようと思われたのはどうしてですか?
最初はポートフォリオの一環として一問一答的なものを想定していたのですが、井上さんと作家の掛け合いから引き出される話が想像していた以上に面白く、ひろがりもあったので、当初の予定よりボリュームも扱いも大きいものになりました。(大隅)

元々、作品は、見る人夫々の見方がある筈、という考え方をしていたのと人に興味があり、作品を生み出す作家の考え方を聞いてみたい、知りたいという思いを持っていたのでご覧のような内容のインタビュー記事になりました。(井上)


− デザインで気を配った点はありますか?
作家それぞれの世界観を引き出すことを一番の目的にしています。またいろいろな作品を扱うので、サイト自体のデザインは極力シンプルにしようと心がけています。(大隅)


− 手ごたえはどうでしょう
パノラマを通じて興味をもった作家の展示に足を運んでくれた方や展示の期間前後のページへのアクセス数の増加の遷移などをみていると少しずつですが人の動きにつながっていっている感触を得ています。
やはり実際に作品を見て触ってもらうことが一番だと思いますしそのきっかけも含めて、まずはパノラマ〜ギャラリー展示〜パノラマ〜という循環を作っていけたらと思っています。(大隅)


− 実際にお求めになった方からの反応はいかがですか?
もともとある作家のファンで作品を購入してくださった方が他の作家の作品を買って下さったのは嬉しかったです。それ以外の方も(まだまだ数は少ないですが)概ね好評です。(大隅)


− 今後はどのようにしていきたいですか
毎月一人のペースで作家を紹介していくことや展示レポートは継続していきたいのと作家自身やアート・工芸に関わる人のエッセイなどの掲載も予定しています。
それと作家、作品が増えていくことで生まれる相乗効果も期待しています。例えばガラスの作家に興味をもっていた人が陶や漆の作家にも興味をもったり同じ期間にやっている展示をはしごしてくれたりして・・・、最終的にはパノラマで作品を買って欲しいですが。(大隅)

− ありがとうございました。