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目の眼オンライン美術展レポート

マチュピチュ「発見」100年
インカ帝国展
東京国立科学博物館

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東京上野の国立科学博物館で開催

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トウモロコシ酒を入れたアリバロ

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薄い金合金で作った小型人物像

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金製のリャマ像。
儀礼用の副葬品として作られたという

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八芒星が並ぶアリバロ
奥は木製のケロ

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男性用貫頭衣(チュニング)
幾何学模様が独特

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インカでは土器も盛んに作られていた
トウモロコシ酒を運ぶウルブという器

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モチェ文化の金合金製頭飾り

 南米でわずか100年あまりの繁栄で消えてしまったインカ帝国。黄金の国、マチュピチュの空中都市を造った国などで知られていますが、今までの発掘や研究成果を網羅して紹介するのが今回の展示。15世紀前半から16世紀前半に南米最大にして最後のアンデス文明の全貌を余すところ無く公開しています。

 東京上野の国立科学博物館で3月10日から6月24日に催される今回の展示は、インカ帝国の存亡を日本初公開の展示資料を交えて紹介しています。古美術好き、歴史好きにとっては器や衣装などの民族的な資料が興味を引きます。
 第一部は帝国の始まりとその本質。インカの起こりから、帝国の拡大を時間経過と共にみていきます。伝統あるケロという儀式用のカップや飲み物を注ぐアリバロという壺の紋様、アルパカの毛を編み込んだ衣装の幾何学模様などにアンデス特有の色づかいやパターンが読み取れます。特に木製ケロに細かく施された幾何学紋様はインカの技術の高さを物語っています。

 コンドル湖の墓地から回収された4体のミイラも完全な状態で展示されています。最後はマチュピチュの展示。聖なる谷の奥に造られたマチュピチュは文明社会から隔離された位置にあったため、インカ帝国の滅亡後は400年間も人目に触れなかったといいます。イェール大学の歴史家、ハイラム・ビンガムにより再発見されたのが1911年のこと。標高2000mの急峻な山の上に築かれた古代都市は聖なる女性の館、最後のインカの都、アマゾンの部族の反乱を抑える砦など、さまざまな役割が想像されたが、現在ではインカ王パチャクテイがこの地を征服した記念的な建造物と考えられています。このマチュピチュの様子を3Dで再現した巨大画面の映像が迫力満点。3Dならではの立体感のある映像に引き込まれます。
 インカ帝国展は国立科学博物館を皮切りに仙台市博物館、山梨県立考古博物館、静岡県立美術館でも催されます。

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ライトや音響などを多用した展示

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金合金製の器

マチュピチュ「発見」100年
インカ帝国展
会 期/3月10日〜6月24日
会 場/国立科学博物館(上野公園)
開館時間/午前9時〜午後5時(金曜日は午後8時まで)
4月28日〜5月6日は午後6時まで。5月4日(金)は午後8時まで。
休館日/月曜日(3月26日、4月2日、4月30日は開館))
入場料/一般1400円
問い合わせ/ハローダイヤル 03-5777-8600
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