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目の眼オンライン美術展レポート

『百段雛祭り』
〜京の雛物語 at 目黒雅叙園〜
2012年1月27日取材

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佐藤氏しつらえ ブータンの布やクッションをしつらえたひな壇かざり

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佐藤氏しうらえ 女びな男びなの刺繍をした子供のちゃんちゃんこをバックに

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魚礁の間 貴族に伝わるお雛さま 美女図も美しい背景に

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草丘の間 郷土玩具、庶民のお雛さま 一堂に並んだ全国の土人形

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清方の間 日本一大きいおひなさまの前で笑顔の女の子

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清水の間 山陰の雛天神が勢揃い

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星光の間 名工大八郎作という貴重な賀茂人形


meguro001.jpg十畝の間 大阪・佐藤禎三邸のお雛あそび

 「目の眼」3月号第2特集「雛を、めぐる。2012」でもご紹介した『百段雛祭り』〜京の雛物語 at 目黒雅叙園〜が27日(金)から開催されています。
 目黒雅叙園は昭和6年から料亭として開業し、百段階段はその3号館として昭和10年に竣工したもの。現在ただ一つ残った木造和風建築として、東京の指定有形文化財となっています。99段の階段室があることから「百段階段」と呼ばれ、その階段がつなぐ7つの部屋は、それぞれ異なった作家によって天井や欄間に美人画や花鳥図などが描かれています。細部の意匠もこらされた室内装飾は豪華絢爛。雛人形を飾るにふさわしい華やさです。

 3回目となる今年の目黒雅叙園の雛祭りは、京の雛物語と題して、京都の「博物館さがの人形の家」と大阪・藤井寺市のご自宅で、毎年ひなまつりに、お雛様のコレクションを一般公開されている佐藤禎三氏の雛人形コレクションなどが公開されています。
 全部で350点をこえるお雛様がそれぞれに工夫を凝らされたしつらえで飾られているのも圧巻ですが、なかでも見どころをいくつかあげると、まずは十畝の間(じっぽのま)のにぎやかな佐藤禎三氏のひな遊びのしつらえ。美しい雛と取り合わせられた螺鈿の箪笥、ブータンの布やクッション、ビーズのバッグなどなど思いがけない楽しさと美しさのあるしつらえに目を見張ります。

 次に、京の朝廷や公家に伝わってきたお雛様。霊元天皇の天児や女官たちが作ったという小さな雛人形など、珍しい雛をみることができます。
 また、今発見されている中で一番大きいという高さ70㎝、重さ6㎏という享保雛は三歳の子供くらいある迫力のあるもの。内覧会では、可愛い女の子と一緒に撮影タイムが設けられました。

 このほか、日本地図の上に全国の土人形が飾られた部屋や、山陰地方で初節句に飾られるという天神様が勢揃いした部屋など、珍しい日本全国の人形が一堂にみられる女性だけでなく老若男女が楽しめる展示でした。ぜひお出かけになってみてはいかがでしょうか。(編集部 小林)

目黒雅叙園百段階段「百段雛まつり」
〜京の雛物語 at 目黒雅叙園〜
会期/1月27日(金)〜3月4日(日)
会場/目黒雅叙園 東京指定有形文化財「百段階段」
東京都目黒区下目黒1−8−1
開館時間/10時〜18時(入館は30分前まで)
休館日/会期中無休
入場料/1500円 ※小学生以下無料
問い合せ/03−5434−3140
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