目の眼オンラインレポート
アートフェア東京2013
2013.3.21取材
浦上蒼穹堂
浦上蒼穹堂
丹中
繭山龍泉堂
祥雲
アートフェア東京2013
会 期/3月22日〜3月24日
会 場/東京国際フォーラム展示ホール(有楽町)
開館時間/午前11時〜午後9時(3月24日は10時30分〜午後5時)
入場料/1-DAY パスポート 2,000円(税込)
問い合わせ/03-5808-1451(事務局)
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古美術から現代アートまで、さまざまな「芸術」が集合したアートフェア東京。出展ブースは151件。目の眼として注目の古美術系は全体の4分の1ほどだが、メインとなる絵画、彫刻、写真などでは、巨匠から新進アーティストまで、1フロアでジャンルを超えた作品に触れられるのが魅力だ。 ちょうど中央部が古美術エリアで、左右に近現代の展示が広がるような会場の構成。しっとりと落ち着きのある古美術エリアから見ていくと、ポップな現代のアートとの対比が楽しい。
古美術店の展示も、アートフェア東京という特別なイベントに倣って、単純に陳列するのではなく、アーティスティックに見せているのが特徴。初回から参加している浦上蒼穹堂では以前は値の張るものを並べていたが、一昨年に北斎の版画を並べて注目を集めたことから、今年も元禄時代の浮世絵師、西川祐信の美人画や季節に合わせた桜が入った明治初期の錦絵などを、とても手頃な価格で出している。得意の中国美術では新石器時代に作られたフクロウの形をした焼きもの、灰陶鴞面把手壷がずらりと並ぶのが壮観だ。ほかにも、六古窯の壷と室町~桃山頃の能面とを対比させた丹中、清時代に景徳鎮からヨーロッパに輸出されていた五彩や青花を並べた繭山龍泉堂、平安時代の神像と仏花器を思わせる陶器、花生けを作品にした写真を並べた祥雲など、時代やジャンルにとらわれない展示を行っている古美術店が目を引く。
アートフェア東京では、子供たちのためのワークショップやシンポジウムなど、アートに関するプログラムも行われ、人気を集めている。また、一昨年から始まった「アーティスティック・プラクティス」は、いつの時代でも、どんなジャンルでも芸術的実験がある、とのコンセプトから、新しい挑戦を続けている。今回の展示は首相を務め、現在は陶芸家として活動している細川護煕氏の山居を再現した「山居の細川護煕」展。茶室や東屋が設えられ、味わいのある陶器や豪快な書が飾られている。
東京のみならず、日本の現在進行形のアートシーンと古美術が融合しているアートフェア東京2013。今の、そして過去とこれからのアートを語るうえで欠かせないフェアとして魅力が増している。
「山居の細川護煕」展