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目の眼オンラインレポート

根津美術館・特別展 
山口県立萩美術館・浦上記念館名品展
「やきものが好き、浮世絵も好き」
2013.5.31取材

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この時期、根津美術館の庭園も緑が青々ときれいです

特別展 山口県立萩美術館・浦上記念館名品展
「やきものが好き、浮世絵も好き」
会 期/6月1日(土)〜7月15日(月・祝)
会 場/根津美術館
    東京都港区南青山6―5―1
開館時間/10時〜17時(入館は閉館30分前まで)
休館日/月曜日(7/15は開館)
入館料/一般1200円 学生1000円
問合せ/03―3400―2536
ホームページ



 目の眼7月号でも特集している根津美術館の特別展、「やきものが好き、浮世絵も好き」が始まりました。 山口県立萩美術館・浦上記念館には浦上敏朗氏が生まれ故郷の山口県に寄贈した中国・朝鮮陶磁と浮世絵版画あわせて2500点があり、今回は、その中から東洋陶磁130点と浮世絵62点を厳選して展示しています。浦上敏朗氏のコレクションは表情が豊かで、見る人をなごませるような魅力にあふれています。小品が多いのですが、展示も同じような傾向のものを集合で見せていたりと、工夫されています。なかでも、俑の駱駝、馬、牛車、牛が一列に隊形を組んでいるのは、今までにないユニークな展示方法で目を引きます。
 浦上敏朗氏のいちばんのお気に入りという青花月兎文栗鼠耳角扁壺は第2室に展示されています。円窓の中に杵を持つ兎が描かれ、反対面には円窓の中に一羽の烏が描かれているもの。太陽には三本足の烏が、月には兎が居るという中国の故事を表現しています。ほかのコレクションもそうですが、どの陶磁器もスタイルや色合いがすばらしく、浦上さんの収集に対する熱意を感じることができます。

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 第5展示室では浮世絵を展示しています。浦上コレクションは5200点という膨大な浮世絵を所蔵していますが、今回はその中から62点をまさに厳選し、前期後期に分けて展示します。北斎の東海道五十三次や歌麿、写楽らの美人画、役者絵など、よく知られている浮世絵が多いので、分かりやすい展示になっています。なかでも北斎の「風流無くてななくせ 遠眼鏡」は確認されているだけで世界で3枚しかないもの。退色しやすい傘の紫色など、色がよく残っています。2色のLEDで再現性に考慮した根津美術館ならではの照明方法が浮世絵の特色を際立たせています。

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 当展覧会は7月15日まで開催。目の眼7月号では白洲編集長が萩の美術館を訪れ、浦上敏朗名誉館長との対談を掲載しているほか、浦上コレクションの真髄を大阪市立東洋陶磁美術館名誉館長の伊藤郁太郎さん、国際浮世絵学会理事長の小林忠さん、兵庫県立美術館館長の蓑豊さんに寄稿していただいています。また、今展覧会の楽しみ方を根津美術館副館長の西田宏子さんにインタビューしています。

 目の眼7月号は全国の書店にお申し込み下さい。また、根津美術館のミュージアムショップでも扱っていただいています。