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目の眼オンラインレポート

ザ・美術骨董ショー
東京プリンスホテル

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冨江洗心堂

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南蛮洞

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ほむら

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かどまつ誠心堂

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JADEオークション

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アンティーク・アーカイブ

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ギャラリー夢織

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ピーター・マルコ展






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 東京タワーそばの東京プリンスホテルで、毎年恒例のザ・美術骨董ショーが始まりました。昨年は震災の影響で開催さえ危ぶまれましたが、実際には好評だったこともあり、今年も例年通りの開催となりました。27回目となる今回、ホテルの鳳凰の間とマグノリアホールを使い、中央にはサントリーと日本航空のラウンジもあるので、一日ゆっくりと骨董三昧できます。 ザ・美術骨董ショーは和骨董に加え、西洋アンティークも多いのが特徴で、アンティークレースやコイン、ジュエリーと、バラエティに富んでいるのも魅力といえます。
 目の眼3月号の特集でもお世話になった冨江洗心堂のブースは、平台にきれいにディスプレイされた見やすい展示です。京都の寺院の旧蔵品という仏画は保存状態もよく、一見の価値があります。
 南蛮洞では、染付やガラス器など、自宅で楽しみながら使っているものを中心に取り揃えていました。江戸トンボをばらしてネックレスにリメイクしたものなど、女性ならではの視点で作られたものも目を引きます。
 10回目の出店となるほむら。女性ならではのセンスで選んだ小皿、堆朱、ガラス器、洋食器など、多彩なアンティークが並びます。二尺もある辻常陸の大皿は圧倒するほどの迫力です。
 かどまつ誠心堂は作家の一番よいものを選ぶというのがコンセプト。徳田八十吉、魯山人、河井寛次郎、山下清、棟方志功ら、そうそうたる作品が並びます。
 鑑古堂としては20年のキャリアがあり、今回初めてオークションハウスとして出展したJADEオークション。出品作品そのものの展示はありませんが、新しい出展形態として注目されています。
 アンティーク・アーカイブでは、マイセンのマイスターの技が最大限に発揮された絵皿が注目の的。有名なフェルメールの「手紙を読む女」を精密に写したもので、フェルメール独特の陰影までみごとに表現されています。
 広いブースにアンティーク家具が並ぶギャラリー夢織。今回は荘厳さをテーマに、イギリスのビクトリア、フランスのロココ、アールヌーヴォーの家具を出品しています。モナコの古城で使われていた家具もすばらしいもので、家具だけでなく布や食器、アクセサリーも使ったトータルの演出は印象に残ります。
 今回、特別企画として、ニューヨークのポップアーティスト、ピーター・マルコ氏の個展が催されています。ニューヨークの911テロの際に描かれた作品が再生・希望のメッセージとして注目された作家で、東日本大震災復興のための作品が展示され、売上の一部は支援のために寄付されます。
 震災以降、人と人とのつながりがあらためて見直されている現在。この会場でも、アンティークを媒介として売り手と買い手との繋がり、縁を感じることができます。今年は春の訪れが少し遅く、会場周辺の増上寺や芝公園の青葉もこれからが本番。2012ザ・美術骨董ショーはゴールデンウイーク中日の5月2日まで開かれます。(編集部安藤博祥)

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2012ザ・美術骨董ショー
会 期/4月28日(土曜)〜5月2日(水曜)
会 場/東京プリンスホテル
開館時間/午前10時〜午後7時(5月2日は〜午後5時)
入場無料
問い合わせ/03-3432-1111(東京プリンスホテル)
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