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室礼教室だより その1「正月」

 皆さんは室礼をご存知でしょうか。「しつらい」とは、日本で作られた言葉で、平安時代に、貴族がハレの日にふさわしい調度を置いて、部屋を調えることをいい、その後、「室礼」と漢字があてられました。ですが、最近話題になっている「室礼」は、季節の花や果物、道具などを使って、年中行事や節目のお祝い、供養を表そうというもので、テレビや雑誌でも紹介され、女性を中心に人気が高まっています。日本各地で古くから行われてきた年中行事や、季節ごとに各家庭でおまつりしてきたお供えなどが、また見直されてきているんですね。

 お仕事のご縁ではありますが、12月から室礼教室の基礎科教室に通わせて頂くことになりました。教えて下さるのは、「室礼三千」を主宰されている山本三千子先生です。山本先生は、古くから日本に伝わる季節や人生の節目の行事の由来と意味を受け継いでいこうと、室礼教室を開かれているほか、たくさんのご著書も書かれています。じつは先に書きました最近話題の「室礼」は、山本先生が20年以上前から提唱されて、活動をされてきたものなのです。

私も、結婚したときに、年中行事や節句の飾りをして1年の節目をきちんとしたいな、と思ったものでした。でも、どんな行事があるのか、どんなことをするのか、どんな意味があるのか、などなど、いざやってみようと思うと、どれもうろ覚えで、はっきりわからず、結局何もしないままになっていました。

室礼教室では、毎月、翌月のお祝い、お供えはどういったものをするのか、実際に供物、盛り物を作り、その込められている意味について、教えていただきます。

R0010442個別.jpg12月はお正月に向けて、鏡餅でした。鏡はご神体として、神社で祭られています。鏡餅も神様を表しているんですね。大小二つ重ねるのは、福徳が重なるようにという意味だそうです。鏡餅のまわりには、ころ柿・五万米・勝栗・黒豆が供えられます。ころ柿は修練の尊さ、五万米(田作り)は豊穣や子孫繁栄、勝栗は「勝つ」の祝詞、黒豆は「まめに過ごす」=健康を祈るという願いが、それぞれ込められています。

 先生は「各地方、各家庭での慣習がありますから、そちらを優先して下さい」とおっしゃいますが、全くわからなくなってしまっている私のような初心者には、月に一度、その月の行事にふさわしい盛り物をひとつ、部屋の中にお供えすることで、日本の季節と行事を感じることができるので、とても入りやすいと感じました。
 これから毎月、室礼教室で教えて頂いたこと、感じたことを書いていこうと思います。よろしくお願いします。(編集部・小林后子)


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山本三千子先生主宰
menusub_r1_c1.gif室礼三千のホームページ

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