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「室礼三千」室礼教室だより その2「節分」

 1月の室礼教室に伺ってまいりました。今回の室礼は、2月に向けてもちろん節分でした。「鬼は外、福は内」といって豆をまく行事ですね。私も小さい頃はやったような気もするのですが、はっきり覚えていません。毎年されているお宅ももちろんあるでしょう。最近は、恵方巻を食べる方も多いですよね。

 節分は立春、立夏、立秋、立冬の前日のことで、本当は年に4回ありますが、現在、行事が行われているのは、立春前の節分だけ。今年は2月3日が節分、翌4日が立春です。2月3日は、今年は旧暦ではちょうど元旦になるそうです。

 昔は、月の満ち欠けで暦を作っていて、新月の日を毎月1日、1年を354日としていたので、1年365日の太陽暦から比べると、毎年、11日ずつ、日にちがずれていきます。季節もずれていくので、季節を知るために太陽の運行を観て作られたのが二十四節気。立春はその一つです。

 2月の節分は、もとは「追儺(ついな)」という、中国の儀式に由来するそうです。邪気や寒気を追い払う行事で、「昔の人たちは真剣に命がけで行なっていたのです」と山本先生から、十二支、陰陽五行の説明もして頂きました。

 さて、室礼では、まず升に豆を盛ります。豆は魔を滅するという意があります。ですが、豆だけではやっぱり鬼を追い払うのには足りないようです。そこで、クリスマスでも飾り付けに使われる柊(ヒイラギ)。葉がとげとげで、触ると本当に痛いです。豆も枝付のものをさらに柊の上に重ねて、これで鬼を打ち据える!
 そして、鰯(イワシ)の頭。臭い匂いで鬼を撃退。本当に鰯の頭では、私たちもたまりませんから、室礼教室では煮干しを使います。升に盛った豆に刺したり、柊を鬼の眼に刺すという意で、柊の枝に煮干しの眼を刺したりします。
 そしてもう一つ、徹底的に倒す!?あたり棒。これはすりこぎの事ですが、「する」の語は縁起がよくないので、あたり棒と言い換えるのだそうです。
 以上の鬼撃退グッズに、鬼の面を入れて、「室礼」の盛り物をしました。これだけ揃えば、どんな鬼も追い払えそうです。

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 「豆は思いっきりまいて下さいね。邪気を祓うわけですから」と山本先生。
そのためには、まいた豆を拾うために、私などは前もって掃除が必要になりそうです。

 「掃除をすると、すっきりしますよね。掃除は本来、清事。心を清めることにつながります。しっかり掃除して下さい。家の内の行為と心のあり方が一つになるようになると良いのですが」
 埃、塵芥、穢れ、邪気、それらを払い(祓い)、清めることが、「鬼を祓う」に通じることになりそうです。

 家に帰って、早速「室礼」をしてみました。節分の2月3日まで、鬼の面は隠れている様子にするのだそうです。節分になったら、豆をまいて「鬼」を払う「室礼」をしようと思います。もちろん、掃除(清事)もですね。
 大掃除が終って、立春正月(陰暦)になります。

 ちなみに、豆をまくときは、鬼が出ていくように窓や扉は開けて、まいた後は戻ってこないように閉める所もあるとか。そんなことも、もうすっかり忘れて(?)いました。(編集部 小林后子)

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山本三千子先生主宰
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