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九州の小鹿田焼に魅せられた中山初音さんが写真で小鹿田の魅力を伝えます。

第1回 9月


9月初旬、小鹿田(おんた)の里へ。ギーーッ、ゴトンという鈍い唐臼の音が心地よく響く。
小さな川の傍らには10軒の家。私は懐かしくその里に足を運びます。


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 およそ300年続いている小鹿田焼の里は、大分県日田市の北の方の山奥にあります。その昔、小鹿田の人々は、田を耕し農繁期になると器を作っていました。現在は、焼き物1つで生活をしています。器の技法は今も変わらず近くの山から土を堀り、唐臼で粗い土を砕き、水簸、作陶、天日干し、登り窯に薪をいれ焼いています。 初回は土の話を少しさせていただきます。
※水簸(すいひ):固体粒子によって水中での沈降速度に差があることを利用して、粒子の大きさ別に分ける方法。




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 小鹿田の男たちは、共同で近くの山へ土を掘りに行く。土の採取は年に1~2回。それぞれの窯元によっても違うが、その荒い粗悪な土をおよそ2週間から20日唐臼で土を突き、 水簸の方法によって 不純物を取り除き粒子の細かい陶土を作っていく。水槽に入れ櫂のようなものでよくかき混ぜる。そばで見ていると櫂で舟を漕いでいるかの様である。この水簸の工程を何度も繰り返し陶土をいっぱい沈殿させる。水抜きし沈殿させた陶土はまだ水分が多いため素焼鉢に入れて自然乾燥させたり、やわらかい陶土を小さな窯の上にのせ火をいれ水分を飛ばすことも。唐臼つきから乾燥まで天候によっても違うがおよそ1ヵ月かかるその工程は、ほとんどが女性の仕事。その後、男性が陶土を練あげ作陶していく。




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 土の感触は、きめ細かくてクリームチーズのようです。作陶している手は、力を入れたり抜いたりと、とてもリズミカルなのでずっと見ていても飽きないのです。窯入れ後、熟練の勘で温度調節をし焼いていきます。素朴な焼き物の成り立ちは、本当に不思議です。日本の器作りも殆ど機械化され土も買う時代になっている現在、昔ながらの伝統的な技法を小鹿田焼は受け継いでいます。資源がある限りこれからも変わることはないでしょう。
 小鹿田焼を手にした時、どのようにして作られたか深く思いを馳せていただきたい。それが小鹿田焼の醍醐味だと私は思います。




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小鹿田のクヌギ



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朝の風景(共同の登り窯)

◆小鹿田焼の民陶祭
  日時 : 平成24年10月13日(土)・14日(日)
10時~16時
  場所 : 日田市源栄町皿山(小鹿田焼の里).

中山初音さんの小鹿田焼ギャラリー隆々
Ontayaki Gallery Ryuryu
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TEL&FAX 06-6854-5068
E-mail ryu-ryu@tcct.zaq.ne.jp
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