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地域の信仰の対象として代々受け継がれてきた仏像。いつの時代でも修理が行われて次の世代へと受け渡されてきました。現代の受け渡す役割を担っているのが、仏像修復師。新潟の工房で修理を続けている松岡誠一さんに仏像の修復について語っていただきます。

(03)「蓮台の話」

2018-08-20

 暑い季節がやってまいりました。

 各地で蓮の花の見ごろのたよりも聞こえてきます。今回はその蓮の花をモチーフにした台座の話です。


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 実際の蓮の花は、互い違いに蓮弁を葺く、『魚鱗葺き』になっています。これは、平安以前と鎌倉時代以降に多い葺き方。平安時代の蓮台は、本物とは違う「葺き寄せ」という互い違いにならない葺き方をしています。京都の平等院の阿弥陀如来像の台座などがそうです。時代によっても仏像の台座の造形は変遷します。これはまた日を改めて。


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 断面が見えていたので撮ってみました。蓮実、蕊(しべ)、花びらの様子が分かります。花びら(蓮弁)の形も、時代によって違いますが、鎌倉時代の形が、実際の花びらに一番近いです。  





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 これは睡蓮。全体的なシルエットはこちらの方が近い。仏像の台座はこの両方の特徴を合わせ持っています。
 泥の中から綺麗な花を咲かせる蓮や睡蓮を台座のモチーフにすることで、仏像の世界感を表現しているんですね。


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 これは江戸時代の台座。魚鱗葺きに蓮弁を葺いた蓮台の下に、上敷茄子、匂(におい)、華盤、下敷茄子、蕊(1)、受座、蕊(2)、反花、上框、下框、隅足と、段数が重なってきます。時代を経るにしたがって複雑になります。
 それぞれの段に意味があるのだと思いますが、時代を経て複雑になるにしたがって形骸化していきます。この台座はまだ古様を踏襲しているほう。
 台座は御像を様々に守る働きもあります。心棒を通し、五重の塔や東京スカイツリーと同じような構造をしていて、制震の効果もあると思われるので、割合地震には強い。また、御像を湿気から守る働きもしています。
 古い御像だと造像当初の台座は失われてしまっていることが多いです。残っていれば非常に貴重。皆さんも御仏像を拝観する時には、台座にも目を向けてみると面白いです。

松岡誠一:仏像修復家。先祖が信仰し守ってきた仏像・神像を次の世代に手渡すために修復を行う他、被災した御像の応急修復ボランティアや地域の文化財の保存を支援する活動など。活動は幅広い。東北芸術工科大学(山形市)芸術学科 文化財保存科学コース卒。連絡先は下記リンク参照。
仏像の修復ホームページ
地域歴史文化財保存支援ホームページ

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